原発で死亡事故が発生しました。
 5名の方が亡くなり、その他にも
負傷者が多数いらっしゃるという
ことで、心苦しくなります。
亡くなった方のご冥福をお祈りします。

 JCO事故以来、いつかはこういった「営業運転中の死亡事故」が
発生するとは思っていましたが。やはり起きてしまうと衝撃的
です。外部放射能漏れは無いということですが……。
 現代の生活を支えるには電気は必要不可欠です。こうやって、
日記を書くことが出来るのも電力がきちんと供給されている
からです。電気が無かったら、一気に近代以前の世界です。

 このニュースを聞いて、ふと思ったのは「ゴルゴ13」に
載っていた「2万5千年の荒野」という話です。

 ロサンゼルス近郊の原子力発電所で、建設中の事故が元で
「冷却水喪失(LOCA)→メルトダウン」の危機が迫る。
メルトダウンに陥ったならば、ロスだけではなく南カリフォ
ルニア一帯が放射能に汚染され、永遠の荒野になってしまう。
原発の技術者バリーとゴルゴ13は、立ちこめる放射性
蒸気の中、原発とロサンゼルスを救うために銃を手に取る……

と、いったものなのですが。

 話のラストには、原発事故の記者会見の中、バリーの上司
パーマー制御室長が原発に対しての考えを述べるシーンがあります。


 原子炉も基本的には石油や石炭と同じなのです。
 ただ、ひとたび原子炉そのものが暴走したら、今の科学では
抑えることが出来ない……その事実を認めた上で何重もの安全
装置が施され、今や技術的には原子炉に問題はありません。
 いずれ、石炭や石油は枯渇します。今更、木炭やロウソクの
生活に戻れますか? 原子力は絶対に必要なのです。

 太陽熱や風力、波力発電の研究もされていますが、実用化には
まだ100年はかかります。その100年の間どうしますか?
 その点、原子力発電は既に実用化されています。問題は、
「機械ではなく人間」なのです。「心ある技師の養成」です。

 しかし、それでも必ず事故が起きないとは言えません。
 私達は一体、どうしたらいいのでしょうか……?


 僕自身は原子力発電に反対はしていません。確かに、原発
事故というのは他の事故と比較にならないくらい多大な被害を
与えますけども、現在の所これを上回る技術がない以上は、
「仕方なく」これを使うしかないからです。

 それでも、原発に反対する人はいます。原発のコストや
事故の危険性を考えれば仕方のないことかもしれませんが、
原発が無くなればその分火力・水力にしわ寄せが行きます。
風力や太陽光は原子力をカバーするだけの力を持ちません。
有効な代替手段を提示できないうちは、僕はそういった
反対運動には賛成できないのです。

 一つ言うならば、もし今の生活で消費電力を半分にして
問題なく生活できるのならば原子力発電は不要でしょう。
ただ、それが出来ないうちは……頼るしかないのでは
ないかなと思うのですが、いかがなものでしょうか。

 大学にいた時に、政治過程論の先生が原発反対派で、
いわゆる「クリーンエネルギー」の話をよくしていたのですが、
採算性とか有効性とかの面で難しいんじゃないかなぁと思って
よく批判めいた質問をぶつけていました。今にして思えば、
大層迷惑な学生だったと思います。今以上にひねくれてました。
いい先生なんですけどね。
 もちろん、その「クリーンエネルギー」の実用化研究も
進めなくてはいけないということも考えてはいたのですが。

 これでまた、原発反対の気勢が上がるのかもしれませんが、
理想だけでは難しいんです、本当。現実ばかりでも、息が
詰まってしまうのですが、理想のみではお腹が空いてしまいます。
バランス……なんでしょうね、おそらくは。

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