「寂しさ」は……

2002年11月22日
 今日は午前と午後にそれぞれ大きな出来事が一つずつ。
でも、午前中の出来事については詳しくはふれません。
いろいろと問題があることなので。ただ、感想としては
「こんなことやってていいのか? これに何の意味があるんだろう?
ただのパフォーマンスとしか見えないんじゃないの?」
そんな心境でした。周りは「頑張らなきゃ!」って息巻いてる人と
「面倒くさいなー」と思ってる人、「仕事残ってるのにー」
と言ってる人、それぞれおりました。比率に関しては
まぁ、ご想像してくださいな。いろいろあるんですよ、ええ。
ただ、周りがどう見るか分からないんですけどね。


 話もう一つ。
 これは、仕事帰りに読んだ本に書いてあったことなんですが。

東京の有名な大学(外語大だったような)を出て、会社に就職した
女の人の話です。その人は、会社で知り合った人と結婚して退職して
家庭に入りました。結婚生活は幸せでした。旦那さんは
奥さんをとても大事にしてくれていましたし、奥さんも
「尽くす」タイプだったので二人ともとても幸せでした。
さらに、病院で妊娠3ヶ月と診断され、奥さんは人生で
最も幸せな時期を満喫していました。その後、騒がしい東京を
離れて神戸に移り住みました。

 そんな中、旦那さんは仕事の関係で海外に行ってしまいました。
二人がいた会社は海外に手広く事業を広げる所だったので、
一回海外に出てしまうとなかなか戻って来れません。
 それでも、奥さんは「旦那さんのため」と心に決め、
寂しくても日本で一人で暮らすことにしたのです。
 2ヶ月、3ヶ月が過ぎ、奥さんは寂しい日々を過ごしていました。
元々、あまり外向的な性格でなかった奥さんは近所付き合いも
あまりなく、日々寂しく過ごしていました。
 「海外のあの人と話がしたい」。奥さんはいつもそう思って
いましたが、旦那さんはいつも忙しく、時差もあるのでなかなか
話が出来なかった状態だったのです。

 だんだんと、奥さんは寂しさを紛らわすためにアルコールに
走るようになってしまいました。いわゆるキッチン・ドランカーです。
時期を追うごとにどんどん寂しさの水位は増していき、
アルコールの量も日を追うごとにだんだんと増えていきます。
奥さんはただ寂しかったのです。海外で忙しく仕事をこなす
旦那さんに声をかけてもらえれば、それを頼りにまた明日から
「まともな」生活に戻ることが出来るのだから。
 でも、あの人の声が聞けない日がまた何日も続きました。

 「寂しさ」とアルコールはだんだんと奥さんの精神をも
侵し始めていました。寂しさを紛らわすために、お酒を飲み、
リスカ、アムカなどの自傷行為をし、とにかく辛い現実を
少しでも忘れようとしていました。

 月日は流れ、ある夏の暑い日のことです。
 どんより曇った蒸し暑い日、配達に来た郵便局員さんが
玄関に来て、異様な臭いに気が付きました。最初は別なところ
からなのかと思ったのですが、どうやら家の中かららしい。
どうも様子がおかしいので、アパートの大家さんに連絡をとって、
「何かあるのではないか」ということで大家さん同伴で鍵を開け、家の中へ。
家の中へ入るごとに、むっとする臭いがきつくなってくる。
居間に人の姿はなく、台所の方から何か物音が聞こえてきている。
 部屋の中の空気は重くどんよりと澱み、床もひどく散らかっていました。

 意を決して二人は台所に行ってみると、そこにはあの奥さんが
お酒の瓶を傍らに置き、虚ろな目で天井を見上げながら
何か白いものをしゃぶっていました。何かと思ったら、
それは「死産した赤ちゃんの骨」だったのです。精神の荒廃が
進みつつあったところに、アルコールの過剰摂取による死産が
奥さんに追い打ちをかけたのでした。精神の破綻をきたして
しまった奥さんは自分の子供の骨を肴に、アルコールに
手を伸ばしてしまっていたのでした。

 その後、旦那さんと奥さんがどうなったのかは分かりません。
ただ「寂しかった」。それだけが人をここまで追いつめて
しまったのでしょう。今日は、この二つが強く心に残っています。

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