今日の夜、帰宅途中のバスに乗る時でのこと。
 そのバス停で待ったいた人全員が乗車して、ドアが閉まり
動き出した直後に、一人のおばあさんがバス目がけて走ってきた。
どうやら、バスに乗り遅れた人のようだった。おばあさんは
乗降ドアの所に立ってノックしてみたものの、運転手さんは
気付く様子もなくバスは走り出してしまった。おばあさんは
一瞬諦めたようだったが、走り出してすぐの信号でバスが
停車したのを見て、再び乗降ドアの前に立ってノックを始めた。

 ノックしていた間は何秒間だったろうか、なぜかとても
長い間だったような気がする。なかなか運転手さんが気付かなかった
ことに、内心とてもイライラしながら、目の前でバスに
必死で乗ろうとしてるおばあさんのことを自分でみて見ぬ振り
しているのがとても卑しく思えてきた。
 何回目かのノックの後、ようやく運転手さんが気付いて
そのおばあさんは無事にバスにのることが出来たのだが、
僕はずっといたたまれない気持ちになっていた。


 普通なら「そんなのほっておけばいいじゃない」って
言われるんだろうし、僕だって出来るならそうした方が
楽なんだろうと思う。でも、どうも目の前でバスに乗り遅れそうに
なっている人がいると言葉は悪いが「そのまま見捨てる」のが
とても卑しい行為のような気がしてならないのだ。
 
 そう思うならすぐに運転手さんの所に行って、「一人
乗ろうとしてる人がいますよ」って教えてあげればいんだろうけど、
それはそれで心のどこかでブレーキをかけてしまっている。
その時僕が座っていたのはバスの一番後ろの席。運転席に
いる運転手さんの所まで行って声をかけるのも妙な話だし、
一番後ろの席から「乗り遅れてる人がいますよー!」って
声を出すのはもっとおかしい話だろう。しかもその時には
同期の人も同じバスに乗っていたことも、心にブレーキを
かける一因にもなっていた。

 最近は、こういう「ちょっとした親切」というのが
自分で決断できなくなっているような気がする。中学とか
高校の時とかはもっと気軽にそういうことが出来たような
感じがあるのに、今では変にブレーキがかかってしまう。
こういう意味で「大人」になるってのは寂しいなと思ってしまうわけで。
ガキって言ってしまえばそれまでなんだけどねぇ。

 みなさんは、そういった「親切」出来てますか?

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