ホワイトデーのこの日、前日から札幌入りしていたんだけども、
前に申し込みしておいた「日本銀行見学会」の日でありました。
「日本銀行」と言えば「銀行の銀行」「政府の銀行」なんて
呼ばれる最重要の中央銀行、そこを見学しに行けるというのは
なかなかそう滅多にある話じゃないと思って申し込んで
みたわけでございますよ。札幌に支店があることは知って
ましたけど、具体的にどこだか分からなかったりしてみたん
ですけども、とりあえず電話帳とかで調べてみればいいじゃんと
珍しく楽観的になっていたんですな。(いつもは悲観的です)

 支店集合は午後1時半。それまでは家の片づけなんかを
して過ごしてた。ここの所ずっと札幌と実家の往復ばっかり
だったので、散らかる要素が無いと言えば無いわけなんだ
けども、元から僕の部屋は下手な倉庫並みに散らかって
いたりするんで、「いい加減片づけなきゃ」なんて思ったり
しながらも結局の所は数日しか保たずに元通りの散らかりよう。
高校の化学の先生が「物質は多少変化させてもすぐに自然と元の
安定した状態に戻るんだ」という話をしていたのを思い出して、
これは人間の部屋についても同じなのかななんて思って
みたりしたわけですわ。んー、人間やっぱあるべき姿に
戻っていくんですな、納得。

 で、日銀札幌支店へ。
 電話帳で場所を調べて目的の場所へと急ぐ。時間には
昼御飯の時間を削った分余裕が持てて、支店に着いたのは
開始時刻の20分前。受付で名前を書いて、会議室に通されまして。
 お札を裁断したものが入っているボールペンをもらったり、
配られたパンフなんかを見ているとすぐに時間になって
係員の女の人が2名登場。おや、なぜか向こうも私服。
(後で聞いた所、札幌では女子行員は服装自由なんだとか)
とりあえず今日の日程を一通り聞いた後、紹介ビデオを見る。
さすが日銀、紹介ビデオにもやたら気合いが入っている。
ただ、途中で超インフレの世界とか超金融不安の世界とかを
見せられた後に「想像しましたね」なんてセリフが出てくるんで
そこは笑いをこらえながら見てたりして。なかなか良く出来た
ものじゃないのかな。

 一通りビデオを見終わった後に広報ルームへ。
そこでは日銀グッズなんてものが置いてあって、お札サブレ
なんてものまで売ってたりする。商魂たくましいですなぁ。
国債のコピーなんかも展示あるんですだけど、初めて見る
国債証紙は
なんだかそれだけで本当にそんな価値があるんだろうか
なんて
気にさせるくらい「ただの紙」でした。
 さらに、ちょうど1億円分の紙幣がブロック状にパック
されているものを(もちろんダミーだけど)持ってみる。
「うげ、結構重いじゃないの、これ」
 正直な感想。実際には1億円分で大体10kg前後の
重さがあるんだとか。ちょうど米袋と同じくらいということ
らしい。でも、腕に伝わってくるのはそんな物理の世界の
お話じゃない、なんかよく分からない「重み」がずっしりと
伝わってきていた。

 説明は流れて、監査室というお札を発券したり調査したり
する部署へ通される。なんだかそこはまるで銀行の中とは
思えないほど不釣り合いにでかい機械がゴロゴロ置いてあった。
そのでかい機械でお札を次々とチェックしていくんだそうな。
なんだか銀行と言うよりは印刷工場のような雰囲気さえする。
そこにはまたパック詰めされたお札の山。さっきの1パックが
1億円分。それがちょうど3列×3列×4段になって台車の上に
載せられていたものが4,5メートル先にあった。
「36億円」なんて自分が何回転生して1銭も使わなかったと
しても到底稼ぎ出せないような大金が目の前にあるという現実が
なんだか自分を圧倒しているのを感じてただただ「すげぇ」
なんて子供みたいなセリフしか言えなかったりして。

 先程の会議室に戻ってきて、先輩行員からの話を聞く。
かなりざっくばらんに話せたのは良かったんじゃないかな。
自分でも「果たしてこれは銀行員の仕事なんだろうか?」
なんて疑問になるように、「肉体労働がある銀行」なんて
面も強調して話していた。さらに「中央銀行」という華やかな
看板とは裏腹に実は相当に仕事自体は地味で堅実なものだと
いうことも話していた。見た目ほど楽じゃないんだよと
いうのは確かにどこの会社も同じ事。その辺はきっちり
見きわめたいと思う。

 先輩行員の話が終わり、簡単なアンケートに答えて終了。
なんだか新世界を見たような気がするそんな一日でした。
(本当はこの他にも書きたいことあるんだけど、それは
別な日にってことで)

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