異動

　いつかの日記で「新人はとりあえず3年は異動がないそうです」
なんてことを書きました。最初配属になった部署できっちり
基礎基本を身につけて、それから他部署へと転出していく。
それがうちの職場のスタンスであり、人材育成の基本となって
いるんだそうです。長い間この考えに乗っ取って新人の異動は
行われてきました。

　が、しかし、僕はこの4月に異動になりました。
　部内異動で2つ隣の課へと異動になったわけです。
「3年は異動無し」というお話はなんだったんだろう。
現在、そんなわけで僕は2つ隣の課で仕事をしております。

　異動のお話が出た時はこんな様子でした。
　それは、年度末を迎える3月の下旬。僕はいつものように、
年度末業務を行い、また、来年度の講座のために内容の企画を
立てていました。
　午後2時頃、何気なくうちの部長がやってきて「えっと、
水瀬くんは……と、おっとこれは違った」と言いながら、
やってきたかと思うとまた違う方へと歩いていってしまいました。
「……なんだったのかな？」なんて訝しがっていると、
また部長がやってきて
「えーと、水瀬くんね、4月から異動してもらうから」と仰るわけです。
「え？　異動？　僕がですか？」と疑問たっぷりの僕に対し、
ただ黙って頷く部長。さすがにこんな人事のことで冗談を
飛ばすような方ではないので、少なくとも騙しではないことは
分かっていたんですが、それにしても「新人は3年間は
異動がない」というのを常日頃聞かされてきていたので、
「この4月から異動だから」と言われても妙に実感が得られなくて。
いやはや、青天の霹靂とか「夢にも思わない」とはまさにこのこと。
しかし、異動を伝えられた時に思ったのは「オレ、何かやったのか？」と
いうこと。とっさにこっち方向に考えが行くということは、
課にとってどうしても必要不可欠な人間ではないってことを
表しているわけなんですけども。
　しかも、その異動先の課には同期で入った人も一緒に異動になると
いうこともその場で告げられました。一人だけでなく、二人。
しかもその人は、だいぶ前に書いた獅子舞を一緒にやっている人でした。
まさか獅子舞が異動の決め手になったとは全く考えられませんし。
（別にそういった意味じゃ異動させなくてもいいわけだしねぇ）

　第一、事前にあった異動の希望調査では「異動を希望しません」と
率先して書いた自分が異動の対象になるとは考えていなかったもので。
いやー、これからどうなるんだろう。異動先の課の人は
何度か飲みにも連れていってもらったりする人達で、いい人達
だとは思うんですけども、これから自分がそこで仕事をするとなると
大丈夫なのかなってことも思ったりするわけで。みんな優秀な
人達なんですけど、それでも毎日物凄い量の業務に追われてるようだし。
……体調管理だけは、しっかりやっておこうっと。